ちょっと良い自転車を買った。
だから自分で整備やカスタムをしてみたい。
今、自転車の工具を探しているあなたはきっとこう考えているはず。
僕は、自転車をそれなりに長く触ってきて、15年以上、素人として、そしてプロのメカニックとして、そして今では完全に国産の自転車を一から組み上げるお仕事をしているMasnといいます。
この記事では、僕が自分で買って使ったもの、逆に後悔したもの、プロとして使ったもの、お店で使っているものからメーカーに提供いただいたものまで全てひっくるめて「まず買っとけ」的なアーレンキー(六角レンチ)のおすすめをまとめていきます。
一発目になるこの記事ではまずは
「この工具持っておいてください。」
というもので、内容としては「超初心者向け」の内容となりますので誰でも分かるように説明していきますし、良い工具はお勧めしますが、ただ高級な、プロ向け(そりゃ良いんですが)工具を使わずに「整備って楽しい!」とか、カスタム、チャレンジしてみるか。。と思える内容にしていきたいと思っています。
もちろん、スキルを問わず、六角レンチが欲しい、という方には必ずお気に入りのものが見つかる内容になっております。
オンラインで自転車を買ったものの、周りにだれも相談できる人がいない場合や独学で勉強したい人、まわりのチャリ屋があんまり優しくなかった場合(あるあるなんだけど、みんな悪気ないんだ、ごめんね!)とても役に立つと思います。
僕個人でも対面、非対面問わずでご相談を受けるおしごとをしていて、自分に合った自転車の相談や工具、何買ったら良い?というご相談を日々受けているんですが、多かったご質問やお問い合わせをシェアしていければ最高です。
この記事を書いている人、と信頼性。
Masn
今のメインは国産のハンドメイドバイクを販売したり組んだりしているプロのメカニックです。
15年以上工具を握っているし、それ以外にも飲食業をやったりしていました。
組むためのご相談やそのあとのフォローを長くやっているので、パーツや工具を紹介する実績があります。
安価とされる自転車の注意点も知っていますし、超高級パーツも触るので、工具の重要性を知っています。
まずは、自転車を買った。
でも、自転車ってそれだけじゃ意外に足りなかったりして、あれやこれやと欲しくなったり、必要になったりしますよね。
早速工具についてお話していきます。
自転車整備とカスタムに絶対必要な工具。
アーレンキー。(六角レンチ、ヘックス)
まずはこれがないと始まらない。
自転車って思いの外この六角ボルトで締められて成り立ってて、これがないとちょっとした作業もできない。
逆に言えば、これさえあればどうにかなることがほとんどとも言えるので、これから長く使おう、と思っている人はちょっと良いものを買って欲しい工具でもあります。
メカニックは「アーレンキー」と呼ぶので、せっかくならこの名前で呼んであげてください。
とか言いながら「六角」とか言ったりするんだけど。笑
僕が使っていて、かつ今からおすすめする他のアーレンキーよりおすすめな工具がこれ。
Wera(ヴェラ) マルチカラーヘックスキーセット 1.5~10.0mm 9本セット

【神工具】Wera(ヴェラ)マルチカラーヘックスキーセット 1.5~10.0mm レーザー仕上げ六角レンチ9本セット
実は、店舗で使っている工具は違います。
もっと言うと、店舗で購入できる工具も違います。
これは店舗の政治的なお話が多分に含まれるのでそれを使っているし、それを売っているんですが、自分で何つかってるんですか?ともやっぱり言われます。
公式に発信できなかったんですが、今回こうしてシェアできるようにしたのでやっと大手を振って宣伝ができます。笑
なぜWeraなのか?
自転車屋さんでWera推しの人はもしかしたら少数派かもしれない。
取引先の兼ね合いもあるし、価格的なところなどもあるかもしれませんが、僕はWera派です。特に家で使うなら。
圧倒的に硬い。長持ちするから。
これは自身の体験もありますし、実際の硬度もあるんですが、これをメイン工具としていない人でも緩める時はわざわざWeraを使う。
というくらいしっかりトルクをかけられます。

ここが中空のアーレンキーなんて見たことないけど、しっかり詰まってる感じがするんだよね。
しっかり精度と硬さが出ているから、長く使っていても丸くなったりしてこないです。
慣れないうち&ちょっと慣れてきた時のミスを防げる。
精度の出ている工具を使う=しっかり嵌まるからネジをダメにしてしまうことを防げる。
Weraの工具はドライバーもかりイケてるんですが、その「グッ」と入る感じがアーレンキーにも活かされていて使った瞬間虜になります。
慣れないうちって力を変な方向にかけてネジをダメにする(なめる)ことがあるんですが、それをしっかり防ぐことに加えて、慣れてきたら慣れてきたで雑にかかってないのに回してしまってなめちゃう、っての、両方しっかりガードしてくれます。

一番サイズ別カラーがわかりやすい。
アーレンキーって大体色分けされていて、しかもどのメーカーも同じような色でわかりやすいんだけど(別に決まってるわけじゃないらしい)、使ってるうちに「この黄色とこの黄色どっちだったっけ?」ってことが割と起こるくらいかすれてきたり、わかりにくくなってきたりします。
Weraのアーレンキーはそこを耐摩耗のグリップとして兼用していて、滑りにくさと見た目の良さをしっかりカバーしてくれる。
色分けなしのオールシルバーやオールブラックもあるんですが、僕は断然色付きをお勧めします。
完全に手に馴染むと握ればサイズがわかるし色分けなんて関係ないんだけど、やっぱ良い工具は見た目も美しいんだよな。
例えば6mmは赤。
安価なボルトは結構痛めてしまいやすいんだけど、Weraの安定感半端じゃないです。
逆に、大切にしていきたいパーツを扱うならばアーレンキーは絶対良いのを使わないとダメです。
儀式的に、という面もありますが、やっぱり双方の寿命が伸びる=結果的に得、です。
関係ないけど、NITTOのスライダーステム大好き。
ボールポイントの精度がエグい。
精度が良いのはもうお分かりかと思いますが、これは反対側のボールポイントのかかりの良さでさらにグッと来るんですよね。
ボールポイントの役割は緩めたものを手早く回したり、締め込む前に手早く締めたり、と作業効率化には欠かせない機能です。
本来本締めに使うようなものではないんですが、Weraのボールポイントは「本締めいける」と言われるくらいガッチリかかって締めることができます。
ただ、これはお勧めしません。そのくらいの精度がある、と言うだけで、本締めはしっかり正規のアーレンキー側を使いましょう。

おすすめしないアーレンキー。
アーレンキーって正直100円ショップでも買えちゃう。
でも、ほんとにやめておいた方が良いです。
ネジがダメになって、何千円か払うことになったり、パーツそのものがダメになります。
セットで9本のセットを買うなら、最低でも1200円くらいからのものを使用しましょう。
安価なものにもたまに「ええやん!」というものがあるのですが、「その個体だけが良かったり」するので何本も使って良かったものを紹介しています。
その他のおすすめアーレンキー3選。
先ほどまでさんざん推してきた「Weraのアーレンキーセット」が正直最強です。
でも、僕も今まで何セットもアーレンキーを使い切ってきてあれも良かった、ってのがあります。
アーレンキーって使い切るとかあるんだ?ってなるけど、あります。
メカニックをやっているとこれは消耗品扱いです。
仕事で使うなら、減りやすいのがダメ、ってわけでもないのが難しい。
PB SWISS TOOLS
PB SWISS TOOLS ボール付ロングレインボーレンチセット
バイクショップで働いていてPBの工具を紹介しないわけにはいくまい。というくらいメジャーどころ。
前述の「緩める時にだけWeraを使う人もいるくらい〜」という人は締める時はPBを使用しています。
PBの良さはなんといっても「適度に柔らかくてしなる」こと。
まるでクロモリバイクの売り文句みたいですが、ガチです。
多分全国のバイクショップはこれの使用率が一番高いです。
が、これを家庭用、ホビーメカニックにおすすめできないのには理由があります。
いい意味でも悪い意味でも柔らかい。
ある意味仕事道具は消耗品であると割り切るメカニックはこなれて丸くなってきたアーレンキーもうまく使うでしょうし、多くのメカニックは雇われているので工具は大切に扱っても、減り具合まで気にしません。だって会社が出すもの。
家で、ゆっくり正確に作業ができるのはWeraだと思っているので、一番初めに紹介しているWeraを推します。
PBも使ってみたい!と言う方はぜひ。WeraかPBかといわれる双璧で、まごうことなき良い工具ですよ。
京都機械工具(KTC)
京都機械工具(KTC) ボールポイント L型 ロング六角棒レンチ セット
僕は京都のバイクショップにいたり、Webでなんか作ったりやらなんやらしているんですが、やはり京都といえば、なKTC。
KTCは上位ラインもあったりするんだけど、抜群コスパのこれ。
日本製の工具ってなんで?ってくらい安くて高精度。
正直、このレベルの工具がパッと次の日に届くんだからたまんない。
僕もKTCの工具は多数所持していますが、なんでこのKTCを一位に上げなかったのかというと、色分けがないから。
それが無骨で良い!というのはもちろんわかってるんだけど、家で整備する時って色分け結構大事なんだよね。
でも、個人的には京都を応援したい気持ちもとても強いので推したいブランド工具です。
エイト/EIGHT
最後はエイト。
エイトもKTCと同じく日本製のブランドなんですが、「六角レンチ専門メーカー」というなかなか珍しい会社のものです。
六角レンチ専門、というだけでもうおすすめできるんですが、選ばなかったのは色分けが他と違うから。
精度は抜群で、もし、色味のイメージが僕になくて、ここから入るのならばエイトをおすすめするかもしれません。
多分、エイトのスタッフはあえてやってて、挑戦的なところも大好きなんですが、僕の中では5mmはオレンジなんです。笑
価格のバランスも良くて、バラ売りで何本も持ってます。色のないシンプルなやつを。
インチ用も出してるので、もしインチを使うことがあればエイトさんのものを絶対買う、というくらい精度は最高です。(KTCはどうした)
自転車整備において、六角レンチに求めるまとめ。
自転車工具において、最も重要なものは
1、精度
2、持ってて嬉しくなるか
3、価格
です。
自転車ってそのままではあんまり精度がいいとは言えなくて、ある意味ざっくりでも走ってくれるからこれだけ発展した、ということもある。
でも、このページを掘ってくれた皆様は、そうじゃなくて、今から長く付き合う相棒をずっといい感じで使うために自分であれこれしよう、とチャレンジしているところだと思います。
そうなってきた時に、精度のちょっと悪い(あまりにも安いボルトはNG、それも交換しましょう)ボルトでもしっかり噛んでくれる、そういう精度の良い工具があるだけで安心感も、突破力も変わります。
自転車屋さんならあの手この手で外したり、締めたりできる環境があるけど、家でミスるとその度にホームセンターに行ったり、ネットで新しい部品を頼んだりするハメになり、下手するとその日終了するので、そんなことは起きて欲しくないと思っています。
僕も、何もわからないところから自分で安い工具も、高い工具も買って、プロの環境に身を置いてスキルを上げてきました。
自転車整備って簡単だし、良し悪し問わず動く。だからこそやってもやらなくても良くって、やってる人はよりスムーズに、より楽しさを享受しながら今日もより自転車のことが好きになっているんだと思います。
メンテナンスは愛着を増す一番の方法なので、ぜひ、Wera(じゃなくてもいいですが。笑)の工具を使ってバッチリ仕上げてみてください。
持ってて楽しくなる工具は「精度」が高いです。
機能美がしっかり現れてくるジャンルなので、美しいものはしっかり使うことができるし、逆も然り、なのです。
最後に最も大切な価格。
これは年齢によって買える工具も変わると思う。
変な話、工具にお金割くくらいなら自転車にお金かけましょう、って話ですしね。
その中で最低限のものをアップグレードしていく中で、「長く使ってきた自分の工具の歴史」そのものが欲しくなってくる瞬間があります。
そんな時に、今日紹介した上質な工具を手に取っていただければ僕は嬉しいです。
記事も頑張って更新していくので、ぜひMasnのブログやSNSをフォローしていただけると嬉しいです。


